『頭の中と世界の結婚』/美映子(=川上美映子)

以下、2008年5月のmixi日記を転載。
当時、本当によく聴いていた。当時早稲田の視聴覚室?かどこかで演ったヒカシューとのライブにも行ったのでした。


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 美映子(=川上美映子)のアルバム、『頭の中と世界の結婚』を買った。
 インタヴューや対談で読んでいた、恋人と自分が未分化でどうしようもなかった状態、というのを想起させる歌詞だった。そして、未分化な僕達から「あなた」を切り離さなければ、という思いも感じた。どうしようもない状態と、それを何とかしたいという両方の部分があるから(そしてもちろん曲の影響が大きいのだろうけど)、暗いというよりは、夜明けという印象だ。かつての恋人とは別れ、お互いに距離を保てる相手と結婚して、随分と安定しているようにみえる現在の川上美映子を思うと、感慨を込めて誕生の前夜などと形容したくなる。音楽としてもすごく好きだった。
 あっ!!!今、まさにそのアルバムを聞きながら書いていたら「夜明け前」という歌詞が出てきた!!!今まで気づかなかった。嬉しい偶然!

 最後にCDを買ったのは、早稲田祭忌野清志郎のライブで感動した後、もしくは西口君や八田さんと飲んだ時に2人からお勧めされたFishmans以来だから、いずれにせよ2年位前だろうか。
 川上美映子に対する興味という大前提はあるにしても、ちょっと前の日記で音楽について書いたのは契機だった。「音楽を聴かなくなった」と書いて以来、音楽が気になっていた。書く事によって、話すことによって、歌う事によって、認めることによって、解放されるという経験の例がここにも1つ。

 ところで『世界と〜』は2000円代前半だったのだけど、この値段設定は新鮮だった。アルバムといえば3000円だと思っていたから。『世界と〜』の場合、演奏時間は30分ちょいだから、俺が想定していたアルバム一般よりも短い。けれど、1時間も聞き続けるのは、結構労力を必要とするから30分位で2000円台という形態は、良いなと思う。他にも何枚か見つけた。傾向として収録時間が短くなっているとすればそれも現代という状況の何かを反映して、ということだろう。経済的、時間的、うんぬん。