KEMURI

以下、2008年mixiの日記から転載。
ありがたいS君のコメントも一緒に。


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 家に帰って夕食を食べて大体11時位。テレビをつけると『僕らの音楽』という番組がやっていた。スカパラ小泉今日子トークスカパラのパフォーマンスに元Kemuriのフミオさんがゲストボーカルとして参加していた。Kemuriは最近解散してしまったそうだ。
 KemuriHi-Standardは中学校3年生、高校1年生とイギリスのアメリカンスクールに通っていた頃、よく聴いていた。当時アメリカンスクールのイケている人たちの間では、Punk Rockが流行っていた。金髪で長身でハンサムで優しくてノルウェーの貴族の出自らしいというクリスチャン(名前)が聞いていたCDのジャケットと同じモノを探して、手に入れたのがBlink182というパンクバンドのCDで、確かそれがイギリスで初めて買ったCDだった気がする。このCDのジャケットは白衣のセクシーお姉ちゃんだったので、覚えやすかったのだろう。他にもFat−Recordというレーベルのバンドや、OffSpringやGreenDayが全盛期だった。そんなパンク流行世代にあって、Hi-StandardKemuriという日本のパンクバンドはイギリスのCDショップにも置いてあり、日本人の誇り、とは全然思わなかったけど、やっぱり愛着を感じていた。
 Kemuriはメロディがすごく良いのだけど、フミオさんのボーカルが少し鼻にかかる感じはあまり好きじゃなかった。「ハイスタの英語は分からないけど、Kemuriは発音が上手だから分かる」とネイティブが言っていたのを覚えている。
 ところが、ここ4,5年めっきり音楽を聴かなくなった。イギリスから帰った後も、高校でバンドをやったりして、CDも買い集めていたのだけど、今では全然買わない。音楽が嫌いになったわけじゃないけど、聴かないのだ。なぜそうなってしまったのかを考えても理由は分からないが、何か損をしているような気になる。
 でも今日、久しぶりにフミオさんが歌っているのを見て勇気づけられた。この10年間の間にオレは音楽から離れて、フミオさんはずっと続けていたし、これからも続けるつもりのようだ。Kemuriは解散してしまったけれど、歌は続けて行きたいと思っていたところスカパラとのセッションが実現した。相変わらず鼻にかかったような声だったけれど、カッコいい曲だった。
 オレが音楽から離れても離れなくても、音楽を支えていく人達がいるのだから、いつかまた聴きたくなった時に聞き始めても遅すぎるなんてことはないと気づけて、損をした気分も解消出来たかもしれない。
 

コメント
シヤン2008年04月13日 17:13

俺もケムリの、鼻にかかったようなボーカルが
あまりいい声だとは思わなかったけど、中学高校の頃、聴いてたよ。
そしてこの間のクリスマス、小田和正の番組に出ていた佐野元春
あまりいい声だともかっこいいとも思わなかったけど、じっと聴き入った。
素敵なのは、そういうものを聴いて下のように思えることで、

>オレが音楽から離れても離れなくても、音楽を支えていく人達がいる
のだから、いつかまた聴きたくなった時に聞き始めても遅すぎるなんて
ことはないと気づけて

音楽でも何でも、好きでずっと関わり続けている人とかがいて、そういう人の存在だけに
支えられている「音楽」とか「マラソン」とか「人形劇」という概念があって
それは自分の毎日とは直接関係ないんだけど、勇気づけられたり、
浮き立ったりする。彼ら彼女らが「いる」ということを知る。
「まだやっている」ということを知ること。
あるいは「もうやっていない」ことも含めて彼ら彼女らが「いる」こと。

コメント
かし2008年04月13日 21:00

 音楽ってただ何となくそこにあるような気がしていたから、自分にとっての損得で測ってしまえたのかもしれない。
 ちょっと話しはずれるけど、以前長谷先生が、昔は学校に行かずにマージャンばっかりやっている学生がいたり、政治活動ばかりしている学生が今よりもたくさんいて、真面目に学校に来ている学生も、彼ら彼女らが「いる」こと(学校には「いない」こと)を意識した上で学校に来ていたと話していたことをシヤンのコメントで思い出したよ。
 それにしてもケムリのボーカルって鼻にかかってる!
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