『カメラ・オブスクーラ』ヴラジーミル・ナボコフ/貝沢哉訳(光文社古典新訳文庫)

ナボコフの「カメラ・オブスクーラ」、お昼にカフェで読了して、その二時間後くらいにプールサイドで再読始めたくらい面白かったんだけど、2回目の一章の終わりに「実際のところ、女に一目惚れしたからというだけで、ブローニングを手にとって、知りもしないその女を撃つなど無理な相談だろう。」ってさりげなく書いてあってたまげた。だって本書は一目惚れした女にブローニングをブチかます、という物語だから。こんな風に初読では気が付かなかった仕掛けが随所にあって、それは探しながら二回目も面白く読める。あと、二回目の方が読みのスピードが上がると言うことに気がついた。